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活動内容
なぜ、動物病院に仏壇があるのか。
当院の受付入口に、小さな仏壇を設けました。

ここは、生まれる前に命を終えた小さな猫たちを想い、手を合わせるための場所です。
春に向かうこれからの季節は、妊娠した野良猫を保護して連れて来られる方や、飼い猫の望まない妊娠に気づき、苦しい決断をされる飼い主さんが増えてくる時期でもあります。
不妊去勢手術を専門とする当院では、どうしても「妊娠した猫の手術」に向き合う場面が多々あります。そしてその選択に、胸を痛めながら来院される方も決して少なくありません。
「この子たちに申し訳ない」
「本当にこれで良かったのだろうか」
そんな思いを抱えながら猫を託され、静かに帰っていかれる方の姿を、これまでたくさん見てきました。そのとき、ほんの少しでも気持ちを預けられる場所があれば——そう思ったことが、この小さな仏壇を置いたきっかけです。
なお、手術によって生まれることができなかった子猫たちは、霊園にて大切にご供養させていただいております。
私たちは、ここに祀られている命を「助けられなかった命」だとは考えていません。むしろ、これから先に生まれてくる命を守るために存在した命だと考えています。
不妊去勢手術は、命を奪う医療ではありません。これ以上、望まれない命が生まれ、苦しむ猫たちが増えてしまうことを防ぐための医療です。
だからこそ、その過程で失われた小さな命を、なかったことにするのではなく、きちんと想い、手を合わせられる場所を残しておきたいと思いました。
手を合わせることが、誰かの心のよりどころになりますように。そして、同じ悲しみが少しずつ減っていきますように。。。
この小さな仏壇は、亡くなった命を想う場所であると同時に、これから生まれてくる命を守るために、私たちが立ち続ける場所でもあります。
ここで手を合わせた祈りが、これから先の命を、少しでも守る力になりますように。
